Re生物と無生物

急に秋めいてきて肌寒い朝。6場過ぎに起床。犬の散歩に出たら外は秋晴れ。庄内地方の少ないベストシーズンのひとつ。歩いて出勤。今週末から来週、再来週と多忙な3週間が始まっている。福岡伸一の「生物と無生物」を読み終わった。名著である。面白かったのはワトソン、クリックによるDNA二重ラセン構造の発見という、二十世紀最大の発見にまつわる疑惑。ワトソン・クリックのノーベル賞に輝いた論文に描かれた二重ラセン構造の絵はどうもロザリンド・フランクリンという女性科学者のDNAのX線解析写真をパクったものらしい。野口英世のロックフェラー研究所における芳しくない評判。それと我々が今でもお世話になっているPCRという遺伝子増幅法は、マリスという伝説のサーファー科学者がドライブデートの最中に閃いたことらしい。1980年代ニューヨークそしてボストンで研究生活を送った筆者ならではの逸話が散りばめられている。文章はかぐわしく当時のアメリカというか未だ行ったこともない、ニューヨークそしてボストンの景色が浮かび上がる。しかし彼がもっとも話したかったのはエピローグで語られる、己の少年時代ではないだろうか。幼少時の自分が育て観察した生き物をめぐるありがちなしかし個人的な体験がその後の自分の道を決めさせ、同時に締感とも言うべき哲学、感覚を生じさせたこと。私にはそう思えてならない。いずれにしてもお話しは、ボストンで筆者達が行った膵臓を使った、とある実験の失敗談である。失敗を通じて見えてきた生物とは何か、に対する筆者なりの回答である。鳥海ゴルフで3箱150発練習。夕食はサンマの竜田揚げ、マグロの刺身。缶ビール1本、山崎水割り2杯。ちょい飲みすぎ。