単球が内皮に接着

今日は半日営業だが検査、外来と休むひまなく仕事。ああ昨日飲みすぎなくてよかった。十二指腸潰瘍の内視鏡一例検査。標準的治療として除菌治療がある。まずピロリ菌を証明する。次に標準化された除菌治療を一週間行う。これには二種類の抗菌剤とPPIと呼ばれる薬を投与する。引き続きPPIを6週投与する方法だ。これで80%前後の方はピロリ菌が除去される。健康保険が適用される。午後アスカムがきてSPDの説明をする。システムとしてはなにも目新しいものはない。しかしこんな基本的システムすらなかったのがこの医療業界、薬業界の現実だ。システムそのものはまだまだ進化が必要のようだ。現状に強い危機意識を持っていると行動に出る。その後ソネットの尾形社長夫人とホームページの更新について打ち合わせ。ハード的なシステム構築は社長、ホームページその他ソフト構築運用は奥さんと一緒にと住み分けしているようだ。夜、頚動脈研究会。一般演題は頚動脈エコーと頚部MRIの比較というテーマで日本海病院の検査部の伊藤さんが発表。頚動脈エコーの所見とMRI所見とが一致しないケースがかなりある。これは以前から指摘されていたこと。人間ドックに頚動脈のMRAを導入した意味がイマイチわからない。特別講演は順天堂の綿田先生の動脈硬化性疾患予防を念頭においた糖尿病治療というもの。高血糖が何故いけないのかその理論的根拠は必ずしも良く解っていないようだ。動脈硬化は単球が血管内皮に接着し血管内に侵入することから始まる。で、仮説として高血糖になると単球が血管内皮に接着しやすくなるのではないかと考えた。動物実験でそれを証明し電子顕微鏡写真を撮った。なかなか面白い仮説だと思うし、新鮮な驚きの映像だった。高血糖が持続しているケースよりも血糖が乱高下するケースのほうが単球が接着しやすく、動脈硬化を引き起こしやすいというデータはどうか。にわかには信じられない、が糖尿病治療のヒントを与えてくれたことは間違いない。今週来週予定ぎっちりなんで体調温存のため懇親会欠席してすぐ帰った。