アクメ ακμή

8時頃起床。布団が変わると眠れないタイプのはずだが、良く寝た。朝食を取りさっそく学会会場へ。毎日受付しないと単位が取れない仕組みになっている。抗加齢医学会は新しい学会でネットを多用し自分でいろいろやらないといけない。出席確認も厳密、しかし反面スタッフを削減できるし自分のデータも見れるし応答も早いしメリットも多い。教育講演なんか会員が講師を評価する。午前中は骨粗鬆症、男性ホルモン、午後は立花隆の特別講演、この辺を中心にした。
 ランチョンセミナーは当然イーライリリーのシアリス関連の会場へ。当院にはEDで来院される方もかなりいるので。実はEDは最初に観察される生活習慣病だという。いや勃起不能生活習慣病ということじゃなく、EDも動脈硬化による血管障害だから生活習慣病を合併するという視点。実際EDの人は有意に高血圧や糖尿病などの生活習慣病が多い。それと私には衝撃的だったのは夜間頻尿の原因は動脈硬化などの血管障害がベースにあり、高齢者の場合夜間の尿回数が3回以上だと死亡率が約3倍という調査結果を示されたこと。やばい!これって私のことじゃないか。このEDの薬は要するにNOであり血管内皮を正常化する薬として知られている。以前からこの学会では抗加齢薬として取り上げられてきたもの。
 午後の講演は立花隆。人間には盛りすなわちアクメがあるという話。アクメとはそもそもギリシャ語ακμήで花や人間などの絶頂期を表す言葉だという。昨年末膀胱癌を手術し、他にも高血圧や糖尿病、微小脳梗塞と沢山の病気を抱えているという。沢山の連載を持ち年数冊の本を書く数年前が、自分にとってはアクメ。でも今の活動レベルを低下させない程度の治療を望むし、その人の事情に合わせた治療というものがあってもいいんじゃないかと主張する。
 夕方の便で無事庄内空港に着いた。庄内は涼しい、ここにいると地球温暖化のことは忘れてしまう。やっぱり庄内はいい。